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⑥CV設定と詳細解説

 ワンコインデコーダX(WCH CH32V003搭載モデル)のCV(Configuration Variable)設定についての解説ページです。

 本デコーダは、書き込むファームウェア(車両用、ファンクション用、ポイント用など)によって有効になるCV項目が異なります。ご使用の用途に合わせて、コマンドステーションから適切な値を設定してください。

CV設定時のご注意事項

  • ファクトリーリセット: 動作がおかしくなった場合や初期状態に戻したい場合は、CV8 に「8」 を書き込んでください。すべてのCV値が初期状態にリセットされます。
  • CVの読み込みエラー: CVの読み込みに失敗する場合は、何度か操作を繰り返してください。モータが接続されていない場合や、消費電流が極端に少ないLEDのみの場合、コマンドステーション側で応答(Ack)を正常に認識できず、読み込みエラーになることがあります。
     その場合は、CVの書き込みを行い、デコーダの機能が適切に変更されているか動作確認することで代用します。

車両・ファンクション用デコーダ 共通CV一覧

 ワンコインデコーダX、X FL、X Plusで共通して使用できるCVです。

 詳細は各CV項目の詳細解説(ページ下段)を参照してください。

CV番号項目名初期値設定範囲・説明
CV1ショートアドレス31〜127の短いアドレスを設定します。
CV2Vstart (始動電圧)0走り出しの最低電圧を設定します。
CV3加速率 (モメンタム)0動き出しから最高速に達するまでの滑らかさを設定します。
CV4減速率 (モメンタム)0減速し始めてから停止するまでの滑らかさを設定します。
CV5Vhigh (最高電圧)255最高速度の電圧リミットを設定します。
CV6Vmid (中間電圧)0中間速度域の電圧を調整します。0または1の場合は直線補間になります。
CV8ベンダID / リセット156値は「156 (Nucky)」です。「8」を書き込むと初期化されます。
CV9モーターPWM
周波数
0モーターを駆動するPWM周波数を変更します。
0: 32kHz, 1: 8kHz, 2: 2kHz, 3:500Hz。
CV17ロングアドレス1924桁の車両アドレス(0128〜9983)を設定します。CV29のbit5を「1」にすると有効になります。
CV18ロングアドレス0同上
CV29コンフィギュレーション2進行方向反転(bit0, +1)、28/128ステップ(bit1, +2)、ロングアドレス有効化(bit5, +32)を設定します。
CV30両極性Fxモード00: 通常のモータ制御、2: モータ出力をF0方向連動のオンオフ出力(両極性Fxモード)に変更します。
CV33~46ファンクション
マッピング
F0〜F12の出力を割り当てます。
※初期値は CV33=1, CV34=2, CV35=4, CV36=8, CV37=16, CV38=32 です。
CV64キックスタート
持続時間
0始動時に一瞬だけ強いパワーを与え、動き出しをスムーズにします。0~255の間で設定します。100 に設定すると 約0.1秒です。
CV65キックスタート
0発進時に上乗せする電圧(PWM出力値)の強さを設定します。0~255の間で設定します。

詳細解説

車両アドレスの設定(CV1, CV17, CV18)

 コントローラ(コマンドステーション)からこのデコーダを呼び出すための「車両番号」を設定します。アドレスには短いもの(ショート)と長いもの(ロング)の2種類があり、CV29の設定によってどちらを使うかが決まります。

  • CV1(ショートアドレス)
    • 設定範囲: 1 〜 127 (初期値は 3)
    • 解説: 1〜2桁の短いアドレスを使用する場合に設定します。設定が簡単で、多くの場合このCV1を使います。
  • CV17, CV18(ロングアドレス)
    • 設定範囲: 128 〜 9983 (CV17とCV18の2つのCVを組み合わせて4桁を表現します)
    • 解説: 実車の車番(「103」や「EF5861」なら「5861」など)をそのままアドレスとして登録したい場合に使用します。通常はコントローラ側の「ロングアドレス設定画面」などから4桁の数字を入力すれば、システムが自動的に計算してCV17とCV18に数値を分割して書き込んでくれます。

 自動的に上手く設定できない場合は、CV17、CV18、CV29を個別に書き込みます。CV17, CV18に書き込む数値については、以下のツールを利用して計算し、メモしてから書き込むようにしてください。


デコーダの基本動作ルール(CV29)

 CV29は、デコーダの「根本的なルール」を決定する、DCC規格において最も重要なCVです。使いたい機能に対応する数値をすべて足し算して、その合計値を書き込みます。

  • CV29に足し合わせる数値のルール
    • +1:進行方向を反転させる
      モーターの配線や、F0の配線を逆に繋いでしまった場合や、編成の向きを逆にしたい場合に便利です。
    • +2:28/128スピードステップを有効にする
      (※必須。初期値で含まれています) これがないと、ライトが不規則に点滅するなどの誤動作が起きる場合があります。
    • +32:ロングアドレス(CV17/18)を使用する
      4桁のロングアドレスを使う場合に追加します(ショートアドレスを使う場合は足しません)。

設定例(よく使う組み合わせ)

書き込む値アドレスの種類進行方向計算式
2(初期値)ショートアドレス (CV1)通常2
3ショートアドレス (CV1)逆向き1 + 2 = 3
34ロングアドレス (CV17/18)通常2 + 32 = 34
35ロングアドレス (CV17/18)逆向き1 + 2 + 32 = 35

モーター・速度制御(CV2, CV5, CV6)

 コントローラ(コマンドステーション)のスロットル操作に対して、モーターへの出力電圧をどのように変化させるかを設定します。車両の走行特性(低速重視にする、最高速度を実車並みに抑えるなど)を好みに合わせて調整できます。

  • CV2(Vstart:始動電圧)
    • 設定範囲: 0 〜 255 (初期値は 0)
    • 解説: スロットルを「1」に入れたときの、動き出しの最低電圧を設定します。スロットルを上げても車両がなかなか動き出さない場合に、この数値を少しずつ上げていくと、スロットル操作に対してスムーズに走り出すようになります。
  • CV5(Vhigh:最高電圧)
    • 設定範囲: 0 〜 255 (初期値は 255)
    • 解説: スロットルを最大にしたときの最高速度(上限)を設定します。新幹線のように足の速い車両の最高速度を実車並みに抑えたい場合や、ヤード内での入れ換え専用機など、スピードを出しすぎたくない場合に数値を下げて調整します。
  • CV6(Vmid:中間電圧)
    • 設定範囲: 0 〜 255 (初期値は 0)
    • 解説: スロットルがちょうど中間のとき(14ステップなら7、28ステップなら14)の速度を指定します。
    • 調整のヒント: 0 または 1 に設定した場合: CV2(始動)からCV5(最高)までを綺麗な直線で結んだ「直線カーブ」になり、システムが自動で中間値を計算してくれます。通常はこの設定で問題ありません。
    • 低速重視にする場合: CV2とCV5の中間値よりも小さめの数値を設定すると、スロットル前半の加速が緩やかになり、低速走行のスロットル操作が細かく行えます。

モメンタム / 慣性設定(CV3, CV4)

 目標速度に達するまでの「遅延時間」を設定し、実車のような重量感のある発進・停止を再現します。本デコーダはDCC標準規格よりも非常に細かく、小刻みな調整が可能なスケールを採用しています。

  • CV3 (加速率): スロットルを上げてから、指定した速度に達するまでの滑らかさを設定します。
  • CV4 (減速率): スロットルを下げてから(またはゼロにしてから)、指定した速度になる(停止する)までの滑らかさを設定します。

時間の目安

  • 設定値「1」につき、次の内部速度ステップに遷移するのに 約0.001秒(1ミリ秒) かかります。停車状態から最高速(内部255ステップ)に達するまでの目安は以下の通りです。
    • 10: 約 2.5秒 で最高速 (0.01秒 × 255段)
    • 50: 約 12.8秒 で最高速 (0.05秒 × 255段)
    • 100: 約 25.5秒 で最高速 (0.1秒 × 255段)

一般的なDCC規格(NMRA規格)ではCV3/CV4の「1」が「0.896秒/ステップ」という大まかな単位になりますが、本デコーダは1ms(ミリ秒)ごとの定期タイマ処理内でモメンタムを細かく計算しています。つまり、設定値「1」は「1ステップあたり1ミリ秒(0.001秒)」の遅延となります。

モーターPWM周波数(CV9)

 モーターの回転を制御するPWM(パルス幅変調)信号の「周波数」を変更します。使用するモーターの特性(コアレスモーターや古いモーターなど)に合わせて、相性の良い駆動周波数に微調整することができます。

 本デコーダでは、「ベースの周波数」を示す数値に、必要に応じて「周波数を1/2倍にする」数値を足し算して設定します。

  • ベース周波数の設定(基本の数値)
    まずは基本となる駆動周波数を以下の4つから選びます。
    • 0 : 32kHz(初期値)
      人間の耳には聞こえない超音波帯域のため、モーターから「ピー」という高周波の鳴き音が発生しません。通常はこの設定が推奨されます(特にコアレスモーターに最適です)。
    • 1 : 8kHz
    • 2 : 2kHz
    • 3 : 500Hz
      低い周波数です。走行音は大きくなりますが、古いモーターなどで低速時のトルク(力強さ)を出したい場合に有効なことがあります。
  • オプション機能(1/2倍モード)
    選んだベースの数値に +8 をして書き込むと、周波数を「1/2倍(半分)」 に落とすことができます。基本の4段階だけでなく、より細かくモーターの相性を探りたい場合に使用します。
    • 0 を書き込む = 32kHz (初期値)
    • 8 を書き込む = 32kHzの1/2倍 = 16kHz (0 + 8)
    • 1 を書き込む = 8kHz
    • 9 を書き込む = 8kHzの1/2倍 = 4kHz (1 + 8)
    • 10 を書き込む = 2kHzの1/2倍 = 1kHz (2 + 8)
    • 11 を書き込む = 500Hzの1/2倍 = 250Hz (3 + 8)

キックスタート設定(CV64, CV65)

 古いモーターや、ギアの噛み合わせなどで動き出しが渋い車両に対し、発進の一瞬だけ高い電圧をかけて静止摩擦を打ち破り、スムーズな発進を促す機能です。BEMF(定速制御)を持たない通常の車両用ファームウェアで特に有効です。

  • CV64(キックスタート持続時間)
    • 設定範囲: 0 〜 255 (初期値は 0)
    • 解説: キックスタートの高電圧をかける(持続する)時間を設定します。本デコーダは非常に細かいスケールを採用しており、設定値 1 につき約 1ミリ秒(0.001秒) 持続します。
    • 目安: 100 に設定すると 約0.1秒、255 に設定すると 約0.25秒 の間、電圧が上乗せされます。
  • CV65(キックスタート強度)
    • 設定範囲: 0 〜 255 (初期値は 0)
    • 解説: 発進時に上乗せする電圧(PWM出力値)の強さを設定します。数値を上げるほど、動き出しのパワー(押し出し)が強くなります。

【調整のヒント】
まずはCV65(強度)を少し高め(50〜100程度)に設定し、CV64(時間)を0から少しずつ上げていきます。スロットルを入れた瞬間に車両が「ピクッ」と動くか動かないかギリギリのところを見つけると、ロケットスタートにならず、滑らかな動き出しを再現できます。調整に調整を重ねましょう。

ファンクションマッピング(CV33 〜 CV46)

 コントローラのボタン(F0〜F12)を押したときに、デコーダ基板のどの端子から電気を出力するかを自由に入れ替える(マッピングする)機能です。

設定方法はとても簡単です。
以下の 「①設定するCV」 に対して、光らせたい端子の 「②加算値」 を足し算して書き込むだけです。
複数の端子を同時に光らせたい場合は、数値をどんどん足し合わせてください。

① ボタンと設定するCVの対応表

コントローラのどのボタンの設定を変更するかを選びます。

ファンクション操作対応するCV初期値初期設定の動作
F0 を押す(前進時)CV331ヘッドライトが点灯
F0 を押す(後進時)CV342テールライトが点灯
F1 を押すCV354AUX 1 が点灯
F2 を押すCV368AUX 2 が点灯
F3 を押すCV3716AUX 3 が点灯
F4 を押すCV3832AUX 4 が点灯
F5 を押すCV390なし(初期値)
F6 を押すCV400なし(初期値)
F7 を押すCV410なし(初期値)
F8 を押すCV420なし(初期値)
F9 を押すCV430なし(初期値)
F10 を押すCV440なし(初期値)
F11 を押すCV450なし(初期値)
F12 を押すCV460なし(初期値)

② 出力端子の加算値

ボタンを押したときに光らせたい(出力したい)端子の数値を足し算します。

デコーダの出力端子CVに加算する数値対応機種
ヘッドライト出力+1X、X FL、X Plus
テールライト出力+2X、X FL、X Plus
AUX1出力+4X FL、X Plus
AUX2出力+8X FL、X Plus
AUX3出力+16X Plus
AUX4出力+32X Plus

設定例

F5ボタンを「室内灯(AUX1)」の専用スイッチにしたい場合
  • ①表から、F5に対応するCVは CV39 です。
  • ②表から、AUX1の数値は +4 です。
  • ➡ CV39に「4」 を書き込みます。
F6ボタンを押したときに、AUX3とAUX4を両方同時に光らせたい場合
  • ①表から、F6に対応するCVは CV40 です。
  • ②表から、AUX3(+16)とAUX4(+32)を足し算します(16+32 = 48)。
  • ➡ CV40に「48」 を書き込みます。
配線を間違えて、F0の前進と後進のライトが逆になってしまった場合
  • ➡ CV33(F0前進)に「2」(テールライト)、CV34(F0後進)に「1」(ヘッドライト)をそれぞれ書き込んで入れ替えます。
    (CV29による変更ですとモーターも変更されますが、この方法ならば、F0のみを入れ替えることが可能です。)

モーター出力をライト用にする「両極性Fxモード」(CV30)

 ワンコインデコーダシリーズ独自の特殊機能です。デコーダを「動力車」ではなく「先頭車のライト専用」として使用する場合に非常に便利です。(この機能はワンコインデコーダX FLでは使用できません)

  • CV30 = 0(初期値):通常モード
    モーター端子は、スロットル操作に応じて電圧が変化する「モーター駆動用」として機能します。
  • CV30 = 2:両極性Fxモード
    モーター端子への出力がスロットル(速度)と無関係になり、「F0ボタン」に完全に連動するようになります。

こんな時に便利です
市販の鉄道模型の先頭車には、進行方向によってヘッドライトとテールライトが切り替わる「専用のライト基板」が組み込まれています。 このモードを使えば、そのライト基板の線路側の端子をデコーダのモーター出力にそのままハンダ付けするだけで、ライト基板の改造なしでヘッド/テールライトの切り替え点灯が可能になります。

メーカーIDとファクトリーリセット(CV8)

 CV8は、DCC規格によって定義されている「メーカーID」を確認するための読み出し専用CVです。ワンコインデコーダXでは、このCVに特定の値を書き込むことで、全設定を工場出荷状態に戻す「ファクトリーリセット」機能を備えています。

  • CV8読み出し
    • コマンドステーションでCV8の値を「読み出し(Read)」すると、「156」(16進数で 0x9C)という数値が返ってきます。これはNMRA規格で割り当てられたメーカーIDで、「156」はNucky製のデコーダであることを示しています
  • CV8書き込み(ファクトリーリセット)
     デコーダの動作がおかしくなった場合や、CV値をいろいろ変更して元に戻せなくなった場合は、CV8に「8」を書き込んでください。
    • 何がリセットされますか?
      すべてのCV設定値が、工場出荷時の初期値に一括で戻ります。
    • 注意点
      • 車両アドレスなども含め、これまでに設定したすべての項目が消去されます。リセット後は、アドレス設定(CV1またはCV17/18)から再度やり直してください。
      • 書き込みが完了すると、デコーダは再起動し、初期状態として認識されます。

ワンコインデコーダX Plus 専用CV一覧

 ワンコインデコーダX Plusに搭載されている、BEMF(バックイーエムエフ:逆起電力)に関する設定を行うためのCVです。

 鉄道模型のDCCデコーダにおける「BEMF制御」は、簡単に言うと「上り坂でも下り坂でも、コントローラで指定したスピード(目標速度)をぴったりキープするための自動調整システム(PID制御)」です。

 BEMF機能の実装がない、ワンコインデコーダX や X FL には設定しないでください。

CV番号項目名初期値設定範囲・説明
CV10BEMFカットオフ64設定した速度ステップ以降はBEMF制御を無効(フェードアウト)にします。0で無効です。
CV50BEMF有効/無効00: 無効、1以上: 有効。BEMF制御を使う場合はまずこれを1に設定します。
CV51Pゲイン (比例係数)10BEMFのPID制御における比例制御係数(パワーの増減の強さ)です。
CV52Iゲイン (積分係数)3BEMFのPID制御における積分制御係数(目標速度への追従の正確さ)です。
CV53ブランキング時間14BBEMFを測定するためにモーターへの通電を休止する時間です(値 × 10マイクロ秒)。初期値 140マイクロ秒。
CV54サンプリング周期20BEMFを測定する間隔(周期)を設定します(値 × 1ミリ秒)。初期値20m秒。

各CVの詳しい働きと調整のヒント

BEMFをオンにする(CV50)

BEMF機能を使うには、まず CV50 に「1」 を書き込んで機能を有効にしてください(初期値は0=無効です)。

BEMFの効き具合を調整する(CV51, CV52)

モーターの回転を一定に保つための「力の掛け方」を設定します。車両がギクシャクしてしまう場合は、これらの数値を少しずつ変えてベストな設定を探ります。

  • CV51(Pゲイン:瞬発力)
    • 目標スピードからズレたときに、どれくらい強くパワーを補正するかを決めます。
    • 調整のヒント: 数値を上げると坂道などでの速度低下に素早く反応してパワーを出しますが、上げすぎると車両が前後にカクカクと振動(ハンチング)しやすくなります。
  • CV52(Iゲイン:粘り強さ)
    • じわじわと目標スピードに正確に合わせていくための補正力です。
    • 調整のヒント: 数値を上げると、より正確に一定速度を保とうとしますが、上げすぎるとスピードの変化がワンテンポ遅れてギクシャクする原因になります。
モーターの測定タイミングを合わせる(CV53, CV54)

 BEMF制御では、一瞬だけモーターへの電気を止めて、モーターから発生する「発電電圧(逆起電力)」を測定してスピードを割り出します。その測定タイミングに関する設定項目です。

NゲージやHOゲージの各種モーターより割り出した推奨値を初期値に設定してあります。特段の必要がなければ調整しなくてもよいです。

  • CV53(ブランキング時間)
    • 電気を止めてから、電圧が安定して測定できるようになるまでの待機時間です(初期値 14 = 140マイクロ秒)。
    • 調整のヒント: モーターにノイズ除去用のコンデンサが付いている場合など、電圧の安定に時間がかかる場合はこの数値を少し増やします。
  • CV54(サンプリング周期)
    • 電圧を測定する頻度(間隔)です(初期値 20 = 20ミリ秒ごと)。
    • 調整のヒント: 数値を小さくすると頻繁に速度をチェックしますが、モーターへの通電が途切れる回数も増えるため、かえって走行が不安定になる場合があります。基本は初期値周辺での使用をおすすめします。
高速域でのBEMFを無効にする(CV10:BEMFカットオフ)

 BEMF制御は、低速〜中速での安定走行には絶大な威力を発揮しますが、最高速付近ではモーターの限界電圧に達してしまうため、制御が不安定になることがあります。

  • CV10 に数値を設定すると、「スロットルがその値(ステップ)を超えたら、徐々にBEMF制御を弱めて自然なモーター駆動に切り替える(フェードアウト)」という動作になります。
  • 調整のヒント: 初期値の「64」は、128段階のスロットルのちょうど半分(中速)あたりでBEMFがオフになる設定です。全速度域でBEMFを効かせたい場合は、この数値を思い切って大きく(100など)設定するか、0(カットオフ無効)に設定してください。
あきらめずに設定を繰り返す

 BEMFに関する調整は大変難しいものです。設定したCV値をメモに履歴に残しては試運転、とくにSTEP2の試行錯誤を繰り返して、設定を追い込んでいきます。

 アナログでうまく走らない車両はDCCにしても改善は見込めません。清掃やグリス塗布、ギア調整などの普段からの整備が安定して車両を動かすための前提条件です。