ワンコインデコーダXの製作に必要な工具、ツール、および各デコーダの主要な部品リスト(BOM)です。ハンダ付け作業を始める前に、必要なものがすべて揃っているか確認してください。
ワンコインデコーダXは、小型化のために表面実装部品(SMD)を多く使用しています。必ずしも必須ではありませんが、以下の工具を用意すると、作業が非常にスムーズになります。
- 温度調節機能付きハンダゴテ:
表面実装部品は熱に弱いため、300℃〜350℃程度に自動温度調整できるものが少々高額ですが最適です。極細のコテ先(細い円錐型など)を推奨します。
- こて先クリーナー:
こてを置いておくためのこて台と、こて先をキレイにするためのスポンジが合体している物が便利です。こて先についた余分なハンダを落としたり、こて先が残渣で汚れた際に活躍します。
- ハンダ:
直径0.6mm〜0.8mm程度の細いヤニ入り糸ハンダが作業しやすく、ハンダの付けすぎを防げます。
鉛フリーハンダは環境には優しいのですが融点が高く手作業には不利なため、有鉛のハンダをお勧めします。
- 精密ピンセット:
小さなチップ部品を掴むために必須です。通常の「ピンセット」と、手を離すと閉じる「逆作用ピンセット」がありますが、ご自身の使いやすいピンセットを選定してください。
- ハンダ吸取線:
万が一、マイコンの足などがブリッジ(ハンダで繋がってしまうこと)した際の修正に使用します。マイコンやモータードライバ、デュアルFETはワザと、ブリッジするようにたっぷりハンダを流して基板と部品の足をしっかりとハンダ付けして、その後ハンダ吸取線で吸い取ると導通も確実で、キレイに仕上がります。
- プリント基板用フラックス:
表面実装ICをハンダ付けする際、あらかじめ基板のパッドに塗っておくと、ハンダが綺麗に流れてブリッジを防げます。(真鍮工作用フラックスは使用しないでください)
- 拡大鏡 / ルーペ:
チップ部品の型番・向きの確認や、ハンダ付け後の微細なブリッジ、天ぷらハンダ(未接合)のチェックに使用します。LED機能付きがおススメです。特に、基板から部品の足が浮いていて導通不良になっている箇所はルーペで拡大しないと見つけにくいものです。
ワンコインデコーダX(CH32V003マイコン)にファームウェアを書き込むためには、従来のPICマイコン用ツール(Pickitなど)は使用できません。以下のツールを必ずご用意ください。
- WCH-LinkE(プログラマ/デバッガ)
WCH社純正の書き込みツールです。秋月電子通商や海外通販等で千円前後で購入可能です。WebNucky部品頒布でも入手可能です。
※名称が似ている古い「WCH-Link」(末尾にEがつかないもの)は、CH32V003に対応していない場合があるため、必ず「WCH-LinkE」をご用意ください。 - USB延長ケーブル(TypeA:オス-メス)
パソコンとWCH-LinkEを接続するために必要になります。100円均一でも買えますが、私は接触不良による電圧降下でマイコンへの書き込み失敗で悩んだ経験からメーカー品を購入しています。
- ワンコインデコーダX Test Board(ソフト書き込み&動作確認用基板)
デコーダ本体を載せて、安全にプログラムの書き込みやLED・モーターのテストを行うための専用基板です。
WebNucky部品頒布にて頒布しています。これがあることで、デコーダへのソフト書き込みや、車両への組み込み前の確実なテストが可能になります。
デコーダの種類ごとの詳細な部品リストは以下のタブを切り替えて参照してください。
なお、頒布サイトではこれらの部品やプリント基板を頒布しています。また、秋葉原の秋月電子でも購入できる部品を多く使用しています。
| 部品 | 部品番号 | 仕様 | 想定単価 | 数量 | 小計 | 主な入手先 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| チップ抵抗 | R1~R6 | 100kΩ 1608サイズ | 10 | 6 | 60 | 頒布又は秋月 |
| チップコンデンサ | C1,C2 | 10uF 16V以上 1608サイズ | 20 | 2 | 40 | 頒布又は秋月 |
| ダイオード | D1~D4 | RB160M-30TR | 15 | 4 | 60 | 頒布又は秋月 |
| D5~D7 | BAT43XV2 | 10 | 3 | 30 | 頒布又は秋月 | |
| レギュレータIC | U1 | AP2204K-5.0 | 30 | 1 | 30 | 頒布又は秋月 |
| RISC-Vマイコン | U2 | CH32V003F4P6 | 60 | 1 | 60 | 頒布又は秋月 |
| モータードライバ | U3 | TB67H450FNG | 170 | 1 | 170 | 頒布又は秋月 |
| デュアルFET | Q1,Q2 | SSM6N7002BFU | 15 | 2 | 30 | 頒布又は秋月 |
| 専用プリント基板 | PCB | 20pin Loco用 | 150 | 1 | 150 | 頒布 |
| 合計 | 630円 | 組立費除く |
- チップ抵抗:30kΩ~100kΩ
3216サイズと呼ばれる、3.2x.16mmの抵抗です。手ハンダを考慮してチップ抵抗のなかでは大き目のサイズを選定しています。入手性が若干悪いので頒布基板に同梱しています。部品の向き(極性)はありません。
- チップコンデンサ:10μF/16V以上
チップ抵抗と同じく3216サイズを選定しています。耐圧は最低でも16V以上を使用してください。極性はありません。刻印がないので袋から開封すると選別できなくなるので注意しましょう。部品の向き(極性)はありません。
- ブリッジダイオード:TS260S
DCC信号を整流し直流を得るために用います。DCC信号の周波数を考慮しショットキーバリアタイプを使用しています。部品の向き(+,-,~表示)に注意して取付けます。
- ダイオード:RB160M-30TR
マイコン入力の保護のためにDCC信号の高い電圧を5Vにクリップするためにのダイオードです。ショットキーバリアタイプを使用しています。白線表示がカソード側です。部品の向きに注意して取付けます。
- 3端子レギュレータ:78L05F
3端子レギュレータとは電源ICの仲間です。変動する電源から、安定した5Vを生成するために用いられます。SOT-89パッケージです。部品の向き(極性)があります。
- RISC-Vマイコン:CH32V003J4M6
WCH社が製造する、非常に安価で高性能な32ビットRISC-Vマイコンです。数十円という驚異的な低価格と、小型の8ピンでありながら豊富な機能を持つマイコンです。ワンコインデコーダXの心臓部です。丸印が1ピンを示します。部品の向きに注意して実装します。
- モータードライバ:TB67H450FNG
ワンコインデコーダX やX Plusで使用している、東芝製のモータードライバーICです。マイコンからの信号を受けて、モーターに流す電流を制御しています。丸印が1ピンを示します。部品の向きに注意して実装します。
- デュアルFET:uPA2753GR
ワンコインデコーダX FLで使用している、ルネサス製のデュアルNチャネル・パワーMOSFETです。1つのパッケージに2つの素子を内蔵しており、ファンクション制御の出力制御に用いています。丸印が1ピンを示します。部品の向きに注意して実装します。
部品と専用基板をセットにして、頒布サイトで頒布しています。
| 部品の種類 | 部品番号 | 仕様 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 抵抗 | R1、R2、R6~R8 | 2.2kΩ1/4W 炭素皮膜 | 5 | 赤赤赤金 |
| 同上 | R3、R4 | 1kΩ 1/4W 炭素皮膜 | 2 | 茶黒赤金 |
| 同上 | R5 | 100Ω 3W 金属皮膜 | 1 | |
| ピンソケット | CN1 | 2×05 2.54mm Lアングル | 1 | WCH-LinkE接続用 |
| ターミナル | CN2 | 1×02 5.08mm | 1 | DCC入力用 |
| 未実装 | (CN3) | (DCC入力 ピンヘッダ用) | (1) | (各自工夫用) |
| 同上 | (CN4) | (Motor出力 ピンヘッダ用) | (1) | (各自工夫用) |
| コンスルー | J1 | 1×03 2.54mm | 1 | ハンダ付けしない |
| 同上 | J2 | 1×02 2.54mm | 1 | ハンダ付けしない |
| 同上 | J3 | 1×04 2.54mm | 1 | ハンダ付けしない |
| ダイオード | D1、D2 | RB100A ショットキーバリア | 2 | |
| ポリスイッチ | F1、F2 | 0.12A LVR012S-2 | 2 | |
| LED | LED1~LED10 | φ3.0mm 赤 | 10 | |
| スイッチ | SW1、SW2 | 2回路2接点 IS-2235 | 2 | |
| スペーサ | — | MPS-08-0 | 4 | |
| プリント基板 | PCB | ワンコインデコーダX テストボード | 1 |
※ページ上部でも記載したとおり、別途、WCH-LinkEやUSBケーブルが必要になります。
- 炭素皮膜抵抗:2.2kΩ(赤赤赤金)、1kΩ(茶黒赤金)1/4W品
いわゆるカーボン抵抗と呼ばれる部品で、電子工作ではポピュラーな部品です。足を曲げて取付けします。部品の向きはありません。
- 金属皮膜抵抗:100Ω 3W品
疑似モーターとして電流を流すための部品で発熱対策で大きい部品を使用しています。足を曲げて取付けします。部品の向きはありません。

- ピンソケット:2×05 2.54mm Lアングル
WCH LINK-Eを接続するためのピンソケットです。ソケットが基板の外側を向くように取付けします。
- ターミナル:1×02 5.08mm
DCC信号の入力用端子として用いています。
- コンスルー:
テスト基板とデコーダ基板を接続するために用います。端子部分がバネになっており、挿抜が可能になっています。厳密には上下の向きがありますが、通常は気にせず利用できます。なお、将来の交換のため、テスト基板へのハンダ付けをしないことを推奨しています。
- ダイオード:RB100A
ショットキーバリアタイプのダイオードです。部品の向きがあり、確認しづらいのですがパッケージの青線がカソード側を示します。
- ポリスイッチ:0.12A LVR012S-2
過電流が流れると発熱して切れるリセッタブルヒューズです。防護回路として用いていますが、万全ではありませんので、ハンダブリッジ等、ショートには十分注意して組み立てをします。部品の向きはありません。
- LED:φ3.0mm 赤
動作確認の各種表示用に用いています。部品の向きがあり、足が長いほうがアノード側で、基板の右側(表面)となるように取付けます。
- スイッチ:2回路2接点 IS-2235
動作確認用のLED回路を切り替えるために用いてします。部品の向きはありません。
- スペーサ:MPS-08-0
基板の四隅に挿入し基板を保持します。
部品と工具が揃ったら、いよいよハンダ付けの工程に進みます!
各デコーダ、Test Boardの回路図は「ダウンロード」ページでダウンロードできます。
























